
日本軍による中国侵攻前夜の1937年。栄華を極める上海の裏社会でルー(グォ・ヨウ)は知略と財力を武器にマフィアの重鎮ワン(ニー・ダーホン)のもと影響力をほしいままにしていた。ワンの妻で女優のリュー(チャン・ツィイー)は、奔放な性格で派手な生活を好み、ワンの頭痛の種であった。ルーの妹の夫ワタベ(浅野忠信)は日本人だが「上海人」を称して表向きは日本料理屋を営み、裏ではルーの良き参謀であった。ある日、実業家を名乗る日本人がルーに商談をもちかけてきた。ワタベは日本人との取引は厄介だと忠告するが、ルーは話し合いに臨む。日を改め軍人を連れてやって来た実業家は共同銀行の設立を提案する。男たちの真の目的を察知したルーは話に乗らない。男たちはそんなルーを邪魔者とみなし、ルーの座を狙うチョウを使ってルーを葬り去ろうとする。上海裏社会の覇権をめぐる力と欲望のぶつかり合いが幕を開ける――。